父、一年 亡くなって一年経ちました(2019年9月3日逝く)。皆さま色々とありがとうございます。これからも宜しくお願いします。父のことはいつも近くに感じています。生きている時以上にそうかもしれません。大切な人を亡くし、同じことを言っている友人います。 父は、今も変わらず常にフラットです。私にはいつも笑顔で横に居ます。私も父親の横に、居ます。 2020年が明け、緊急事態宣言等々を経て今日迄を振り返ると自分自身の生活を見直す時間が、結果的にもらえたように思います。名著「モモ」に触れ直したり、好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観なおす時間がありました。又同じ「好き」を共有できる人たちとの繋がりがどーんと増えました。心底支えられ、好きなもので繋がっ...02Sep2020父日記(下咽頭癌,永久気管孔)Pick UP!
「病院」という現場に関わる多くの人たち 父の闘病に際し、病院に居る時間が長くなり医療関係者以外にも多くの人が病院に関わっていることを知ります。忘れないように書いています。1.入院病棟のお掃除の女性朝6時頃にはお見受けします。姿勢がよく本当にてきぱきと各部屋を掃除していきます。掃除機をかけ、ごみを回収、洗面台を拭いたりします。私たちのお世話になっている病棟は25ルームあります。次に入院患者さんが使用するお風呂は3か所。次々に掃除をしていきます。これが平日5日間は彼女の魔法のようなスムーズな手さばきでピカピカになり毎日気持ちよく過ごせます。2.入院病棟の備品の追加やリネン類交換など1.とは別のご担当者がいらっしゃいます。ペーパータオルなど補充してくれます。また入浴に参ります...31Aug2019介護勉強中父日記(下咽頭癌,永久気管孔)Pick UP!
「ありがとう」をいつ伝えるか 終末期の人に「ありがとう」をいつ伝えるか。父は病気になってから「延命は(手術をしたとしても)ない」とドクターに言われながら、過ごしてきました。でも悪い言葉は本人には聞こえていないようで、「治る」と信じての闘病姿勢はずっと変わらないものでした。だからこそ「ありがとう」はお別れの時の言葉のように思え、言わないままで共にいつも通り過ごしてきました。でも、いよいよという時期にきたかなと思います。 父が心肺停止から息をふきかえし、今日で5日目になりました。心臓が再び動き出した直後は、痙攣が1分に1-2度と絶え間なく、そのたびに目が「きっ」と見開き苦しそうでした。最初の夜は抗けいれん剤を2種、2度ずつ投与しましたが効き目があまりないまま翌朝を...07Aug2019介護勉強中父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
一時帰宅、往路は救急車 父、緩和ケア病棟にはいり4度目の帰宅です。3時間の一時帰宅が2度で、1泊2日は先週と今回で2度になります。色々体にがっている中で、無理を言っての外出ですが、これが1度だけだとイベント感が強いよう思い、なるべく日常に感じさせたいと思いました。何度か出来る限り回数多く連れだしたいとの想いで断行。今回の外泊は2日目の正午頃にようやく促されるように父は目覚めました。薬がたくさん蓄積されているので、うとうとする時間がとても長い毎日に既になっておりました。起きてトイレに向かい、結果的にそこからリビングに歩いて戻ることが出来ませんでした。 真っ青になり口も閉じれず歯茎がべろんと見えた状態になりました。椅子からはずり落ち「これは救急車レベル」と電...05Aug2019父日記(下咽頭癌,永久気管孔)Pick UP!
一時帰宅「足るを知る」 咽頭癌(肺への多発転移あり、手術しても命そのものは延びないと最初から言われています)の父、昨年4月17日の声帯全摘出及び咽頭再建手術から約一年と少し経ちました。今年5月、吐き気が強く病院へ行ったところ「腸閉塞」との診断で入院となりました。すぐに出られると思ったのですが、以降出れないまま50日以上が病室で経過してしまいました。効かない中でも色々提案いただける抗がん剤は次から次へと全てトライしてきました。でも腸閉塞でそれもお休み、お休みしているうちに癌は増々大きくなりました。食事も腸閉塞が原因でお休み、結果として体重は50キロをきりました。ふらついちゃいけないと分かって頑張っていても、トイレなどでふらつく度に注意事項は増え、身体拘束は...15Jul2019父日記(下咽頭癌,永久気管孔)Pick UP!
病気との闘いというより看護師との戦いか 「看護師さんによって全然違うよね」これはよく聞く言葉です。末期の患者にとっては特に、これは一大事です。末期というのは徐々に衰えていくのが通常です。気持ちが前向きでも「歩くのもダメ」「(車いすでも)このフロアから出ちゃダメ」となってくると、倍速で衰えていくように患者の家族としては感じてしまいます。薬もいれているので、歩いていてもよろめくことがあります。座っていても眠気などでふらふらすることがあります。その流れで「(トイレ行くときは)呼んでください」「(私が今日のこの部屋の担当なのでその時に)何かあると、ホント困るんでカーテン全部開けておいてください(ばさっー、ばさっー)」という感じ。勿論分かります。何かが起きないために全てやって下さ...15Jun2019父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
髪が抜ける「(わたしの)掃除がたいへん」 父が3種類目の抗がん剤投与を始めて、1ヶ月程経ちました。手術(2018年4月)後に抗がん剤等のトライを始めてからはもうすぐ1年になります。今までの薬は髪が抜けなかったのですが今回の薬は「必ず抜ける」と言われました。 一緒に住んでいる家族の一人が病院の売店で「ニット帽子」を買ってあげたようなのですが、家の中でも父はかぶっていました。その日は東京の気温は5月だというのに28度。「暑いし家の中でまで、帽子かぶらなくても良いよ」と言ったら、家族の一人が横から「(髪が落ちて)私の掃除が大変だから」と。 父は永久気管孔(失声)設置手術後は、入浴時のリスクを考えてだと思いますが洗髪は最低限の頻度でしかしなくなりました。これから日に日に暑くなるの...13May2019父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
講習会@緩和ケア 今日は病院で「緩和ケアに関する講習会」というのがあり、父が投薬中の眠っている間に参加してきました。30分の短いもので、気軽に聞くことができます。30分程度は、聞くのに丁度良いようにも思います。お話しをご担当されたのは「緩和ケア科」に勤務されている看護師さんです。今日のテーマは「こころのケア」で患者をかかえる家族についても、話が多くありました。聞いている人も、患者さんご本人だけではなくそのご家族も多かったように思います。受け止め方は様々あると致しまして、ポイントと印象に残っていることを書き留めておきます。心がけとして3つありました。1.つらい時に「つらい」と言って良いと、自分に許可をだす。2.話を誰かに聞いてもらう。聞いてもらえる人...19Dec2018介護勉強中父日記(下咽頭癌,永久気管孔)Pick UP!
手術から184日目 父が咽頭癌手術をしてから184日目の診察でした。この1カ月半は「S1」という抗がん剤の飲み薬による治療をしていました。3週間1セットで3セットが実施し終わったところです。前回通院した時は2セットが終わったタイミングで、CTを撮っており、今日はその結果についてお話がありました。 もともと咽頭癌ステージ4(肺への多発転移あり)の告知の際に「転移があるので声帯摘出手術をしたとしても(QOLは少しあがるが)命の長さは延びない」と言われての、4月17日の手術でした。 CTの結果ですが「肺転移は増えて大きくなっている」とのことで、結論としては悪くなっているということでした。「S1」をやめて来週から強い抗がん剤に切り替えることになりました。今後...17Oct2018父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
エンシュア(栄養剤) 父の退院(5月17日)から約2カ月経ちました。退院から1カ月後の検診の際に血液検査は良好で抗がん剤も始めても良い状態ではありました。一方で体重は手術前の状態に戻っておらず(手術前から10キロ減)、心地よい食事も出来ていない(鼻から食べ物が戻ってしまうことがある)ことから、次の治療(抗がん剤)は先送りにしました。 先生から体重維持または増量のために「エンシュア出しておきましょうか」と聞かれ、初めてエンシュアを処方いただきました。薬局で受け取りの際、あまりの数と重さ、パッケージも勿論おいしそうではないため、すこしひきました。また味のセレクトについて先生に「コーヒー味でよいですか」と診察室で聞かれた時に「色々混ぜてください」とその場の判...30Jul2018父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
セカンドオピニオン(手術から41日、退院から11日) 初めてセカンドオピニオンをとりました。どきどきする1週間でした。「初めて申し出る」「初めて紹介状と診察状況を書いてもらう」「それらを取りに行く(予定通り受け取れるか)」「初めて会う別のお医者様への期待や不安」「患者本人(父)にセカンドオピニオンへ前向きに行くための話し掛け」など色々ありました。 こういった事項を体験することは私自身人生初です。またそれを会話にだしてみれば、皆さんそれぞれ色々とご経験されていたりすることも多くありました。伺ったお話で、大変下支えになるものもありました。 セカンドオピニオン当日の朝、その夢をみました。セカンドオピニオンを受ける診察室の様子や雰囲気、また話している最中に先生宛の電話がばんばん掛かってきたり...01Jun2018父日記(下咽頭癌,永久気管孔)
「音声障害とリハビリ」レビット順子先生 特別授業 武蔵野大学の特別授業を聴講して参りました。武蔵野大学客員講師のレビット順子先生(テキサス州立女子大学 コミュニケーション科学 教授)が登壇されました。私の父が下咽頭癌で失声したことがきっかけで興味がありました。この授業が有ることは、服部栄養専門学校の卒業生で現在言語病理士の勉強のためにこの大学へ通う生徒さんから教えていただきました。 聴講する人のほとんどが武蔵野大学で言語聴覚士を目指す学生さんです。180分の内容は専門的なことも含め、患者さんとの向き合い方等レビット先生の具体的なご経験も加えて語られました。これからこの仕事に就くことを目指す人たちの礎となる内容でした。 私にとっては声帯の動きが動画で見ることが出来、咽頭にポリープが...28May2018父日記(下咽頭癌,永久気管孔)