5月6日放送【 NHKスペシャル “わたしをあきらめない” ~5年1組 子どもたちと先生の一年~ 】を観ました。録画しておいたものです。2015年の「川崎市中1男子生徒殺害事件」以降、私自身は「いじめ」について、より色々思うようになりました。この事件以外にもいじめのニュースはありましたが「今も200、300人の子どもたちが毎年命をたっている」と番組内で担任の先生は語られていました。
今回の番組、小学校5年生の1つのクラスにカメラが1年間密着したドキュメンタリーです。
ある日の授業です。「あいつ変じゃね」という、おそらく何気なく使うこともあるその言葉について子どもたちが考えていました。「(自分自身の)変じゃね」という点(他の人と自分が違う点)を各々自ら書き出し、それを全員の前で1人ずつ語る時間はすごみがありました。
私は今、小学校をとっくに通り越して大人社会に居ます。大人の世界でも例えば先月の米・ミネソタ州で起きた事件(黒人男性が白人警官に抑えつけられ死亡(2020年5月25日))を発端に人種差別問題が大きく取り上げられたり、小さな企業や団体でも威圧的な言い方や言われ方など、いじめと少し近いような似た風景は様々あるように思います。何気ない言葉でも重ねて言い続けたり態度にあらわした場合、特に立場の上の人が全体に見聞きさせるシーンでは、繰り返すことで誰かを追い詰める場合があるように感じます。地位や立場が当たり前になり、勘違いに気づく時間も機会も失っている大人には、今日のような授業の機会があってよいかもしれません。
何においても「慣れ」は禁物。自分の地位や立場への「慣れ」もそうですが、見聞きする場面でおかしなことがあっても「いつものこと」と思う「慣れ」もダメ。子どもたちも授業の中で「最初は(いじめをみて)気になっていても、段々『いつものこと』と思い始めてしまう、慣れがこわい」と言っていました。その通りだと、つくづく思いました。
また放送内で、もうひとつ特筆したいことがあります。最初は少し外れているように描かれていた男の子、最後の方では彼らしい自然な形で、逆にクラス全体を引っ張っていました。みんなをリードして時には先生を励まし、クラスを笑わせていました。その姿がとても印象的でした。彼はとっても素敵なものを持っています。
今日映っていた子供たち、全員強く生きていってほしいです。
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