コロナが始まる直前までの2年間程、介護施設の現場に関わっていました。わたしがお世話になっていたのは通所の施設でした。仕事は入浴介助や厨房にどっぷりの日もありました。厨房の時はその日のご利用者さん分のランチを1人で用意します。独り厨房はなかなか居心地良いものでした。提供時刻にあわせ逆算で工程スケジュールを組む点は面白かったです。
施設の目の前は中華料理屋さんでした。いわゆる町中華です。向かいの看板を時々皆さんと眺めていました。「ラーメン」などはその施設では「同時に全員分を仕上げることが難しい」という理由でメニューに組み込まれることがありませんでた。「近くて遠いラーメンだね」などと皆さんと話した思い出があります。
先日、日高屋さんとすき家さんと並んでいる道で、ひとりのとっても小さいおばあちゃんが店の中をながめて立ち止まっていました。以前の施設でのそのシーンが思い出され「入りたいけれど入りにくいのかな」と思ってしまいました。
話しかけましたところ、結果的に日高屋さんではなくすき家さんを選ばれ、入店し着席するところまで、ご一緒しました。わたしはちょっと用事もあったので、店員さんにお願いして一旦店を離れました。用を済ませ、やはり気になって店に戻りました。結果的には一緒にすき家さんで過ごしました。危ない人と思われないかも一応気にして、控えめに「戻ってきた、、、わたしも少しだけ(ミニ牛丼でも)食べようかな」と座りました。
食事の最後にプリンを食べました。わたしの分も注文してくださってご馳走になりました。「これは別腹でしょ」という彼女はとっても素敵でした。お土産にも1つずつとおばあちゃんの分とわたしの分とを買って下さいました。
すき家さんがプリンを作っていることは全く知りませんでした。おばあちゃまも「これがあるから(プリンがあるから)ここへ来る、これが好きだ」と。
おばあちゃんのお話は、実はほとんど聞き取れなかったのですが、兎に角よくお喋りされていました。そしてお食事(すき焼き定食)は完食でした。彼女は88歳!ご自身でおっしゃいましたが、そこはしっかりと聞こえました。
食事が終わり元気にお家へ帰られました。その日以降、そのすき家さんの前を通ると「いらっしゃるかな…」とお店の中に目を向けてしまいます。近いうちに近い場所でお会い出来そうな気がします。
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