未知の世界だった行列店「一条流がんこラーメン 総本家」を体験しました。ワンダーランドでした。
【このお店を初めて知ったのは】
数年前だと思います。何屋なのか飲食店かも「知らず」「分からず」でした。ただ暗めのビルの1階通路にいつも行列がありました。並びながらお喋りする人もいません。ただ静かな列です。客層は男女比、9.5:0.5くらいでしょうか。女子がこちらにお一人さまで並ぶのは、かなりハードルが高いと思います。
【来店前のいろいろ】
行ってみようと思ったきっかけは、身近に常連の人がいたというのが一番です。毎日のようにその神聖な真上から撮ったラーメンの写真をSNSで見てきました。「何時に売り切れるものか」「何時から並べば良いか」「行列の暗めの雰囲気」…いくつもハードルがあり、二の足を踏んでいたところでした。
行くと決めた前夜は早い時間に、そして量は軽めに夕飯をすませられる流れがありました。ふと、がんこのことが思い浮かび、もしかしたら明日の朝は行くチャンスなのではないかと思いました。胃袋はしっかりと空いた状態で向かう方がよいです。これは私からのアドバイスです。
また売り切れ情報はオフィシャルツイッターでチェックした方がと良い旨、以前に聞いていましたが、最近は「14時ぐらいまでに並んでいれば食べられる」とのことです(常連さんからの情報)。
【行列から入店】
列に並んでいる時、全員が発するラーメンを食べに来たという「オーラ」のようなものを感じます。これは店内に入ってからも同じです。カウンターに座っているあいだ中、ずっと感じられるものです。全員分の「オーラ」が集まり、それはあふれて洪水となって流れています。同じゴールを目指す同士のような一体感、そして全員が「知り合い」にみえます。
【メニューオーダー】
初めての人は「初めてです」「何を頼んだらよいか分からない」と言いましょう。初めての時にだけ起こる事項がいくつかあります。「これから起こる全てのことを受け入れるのだ」という凝り固まらないオープンな気持ちが大事との、的確且つ面白いアドバイスを事前に受け、私もそのように振る舞いました。
【食事】
メニューオーダーを済ませ、私の1杯「GE HI N (げ ひ ん)」が運ばれてきました。カウンター越しにラーメンを渡される時に「これは『げひん』っていうのです」と言われます。漢字では「下品」と書くのだと思います。また注文してお料理提供迄のあいだに「ご挨拶がわりです」とカードをいただきました。初めての時にだけ起こる一つなのだと思いますが「いつでも起こることなのか」分かりません。これが素晴らしく萌えるカードです。「受け入れてもらえた」「(こちらも)受け入れることができた」というような、絆みたいなものを一方的に感じてしまいます。家宝にしたくなります。この辺りで「洗脳」です。食後にお店を出る時には「また来ます!」とカウンターの内側へ向けて少し元気よく申しました。すると「待ってます」と大将がこちらへ向きを変えて言ってくれました。「お待ちしています」よりもどれだけ距離を縮める「グッとくる言葉」なのでしょう。
書きたいことは多いですがネタバレに近いので、まっさらな気持ちで初来店される方のために、ここまでにしておきます。どうぞこのワンダーランドを楽しんできてください。
【補足】
■この日の行列は「11時39分から約1時間、26名待ちで入店」です。常連さんが行列に占める割合が多ければ多いほど回転が早いとのことです。常連さん情報です。
■店内の私以外の方のオーダーは
「あくま」
「あくま」
「100」などのコールでした。
初心者には難解ですが、自分のコールもいつの日にはかそうなりますね。通い重ねると暗号のようなーダーが出来るように成長するのだと思われます。
■ラーメン1杯をカウンター越しに渡される時「これは下品スープっていうのです」と女性スタッフの方に言われ、帰る時には「今度はもうひとつのスープも頼んでみてね」と言われました。優しいトーンです。もうひとつのスープは「上品と言えばよいのですか」と確認して次への想いをふくらませ退店いたしました。ほぼ誰とも会話せず、聞こえる会話も少なく過ごした時間でしたが、なんだかとても楽しかったです。
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