手術から184日目

 父が咽頭癌手術をしてから184日目の診察でした。この1カ月半は「S1」という抗がん剤の飲み薬による治療をしていました。3週間1セットで3セットが実施し終わったところです。前回通院した時は2セットが終わったタイミングで、CTを撮っており、今日はその結果についてお話がありました。

 もともと咽頭癌ステージ4(肺への多発転移あり)の告知の際に「転移があるので声帯摘出手術をしたとしても(QOLは少しあがるが)命の長さは延びない」と言われての、4月17日の手術でした。

 CTの結果ですが「肺転移は増えて大きくなっている」とのことで、結論としては悪くなっているということでした。「S1」をやめて来週から強い抗がん剤に切り替えることになりました。今後どうなっていくかは分かりませんが、父は診察室で即答で「強い方に切り替える」と言いました。前回「S1」を始める際はかなり迷っていたように思うのですが、何か背中を押すものが、この数週間にあったのかもしれません。 

 現在は食欲もあります。声を失った以外は比較的順調な日々を過ごしていました。先日は一緒に、癌についてお話しする座談会に参加しました。その席で父は「150回以上続けてきたウォーキングの会を復活させます」と最後の感想発表のところで言いました。はじめて目標みたいなことを口にしたので、そこに居た皆さんを元気づけようと思ったか、自分がリアルにそうしたいと(みなさんの話を聞いて)力が湧いてきたのか分かりませんでしたが、前向きな発言は本当に素敵でした。そのウォーキングの企画が残念ですが一旦見送りになりました。

 今までの著名な方々の癌告白の記者会見の声を思い出します。「(治療も癌も)こわいです、でも必ず(病魔に)勝って帰ってきます」。そして再びは画面に戻ってこれなかった人たちを、私は今、なんとなく思い出します。

 そして今日の先生からのお話の中で、副作用の中で直射日光に気を付けてくださいというのがありました。少しでも散歩は出来ることを私は願っています。直射日光を気にするあまり(周りの言い方もあると思います)部屋に閉じこもる生活になったら、より良くない方向にいってしまいそうな気がするのです。また投薬についても、辛くなったら無理しないで止めてもいいんだよと、そんなことも思っています。

 投薬入院までは明日からの5日間あります。とっても貴重に思えています。会いたい人に会ったり、散歩をしたりと沢山出掛けて欲しいと思ってしまいます。そして自分が普通に外を歩けるだけでも随分と有難く、偶然であり運命のような気持ちになります。

國井直子official

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