2日目(手術翌日)wed

 昨日が下咽頭癌の手術日でした(20180417(火))。12時間ほどかかって無事終了、終わってからICUに移動し横たわる父と対面。顔がむくんでいて(実は私は気にならなかった)、母がICUで大泣きでした。首に一周赤い切り傷とテープ、管が(よく覚えていないんだけど)どっかからどこかへ、幾重にも渡っていたと思います。もちろん本人意識ないので、私たちも眺める感じの面会です。先生から「睡眠薬を追加で入れておきます、夜中目が覚めてもですし」と。ありがとう、睡眠薬をお願いします。

 癌は最初に同病院でMRIを撮った時よりも、あけたら広がっていたようです。「でも全部取りました」と。先生、やりきった感じで清々しさすら感じ得ました。ありがとう。広がっていたのは1カ月半強経つから仕方ないよね。でも、それでも最速で手術日とれたと思うんだよ、これ最速ですよ。よかったよね。しかも「手術」を選択できた、それってすごいよ。

 手術翌日の今日はびっくりする回復でした。ボードに書かれる文字は確かに父の筆跡で、すごく字がきれいだから、確かに父だと(そりゃそうなんだけど)すごく思ったよ。おじさんが昼過ぎに病院に来たんだ。最初に着いて、ひとりでICU面会に入っていったみたい。母がICUに着いたらおじさんがね、父のベッドの横で、顔を真っ赤にして泣いていたんだって。目の当たりにしたら、そうかもしれない。おじさんも80代でしょう、生きるって大変だと、あんな傷と管だらけの父をみたら泣けちゃうよね。お母さんが昨日遅い時間におじさんと電話していた時に涙声だったから、おじさんもがんばって、大雨の中遠方から来てくれたんだよね。来てもらってよかったよ、あの姿をみることって、とってもずっしりくる。生きるって大変、本当に。普通にご飯と空気が喉の奥で勝手にきれいに分かれて、肺と胃に流れてくれていた、何十年も。不思議すぎるよね。素晴らしすぎるよね。今日からは空気と食べ物の入り口は別々だよ。

 夕方先生が来てね、父に「ニコってやってみて」「舌をべーってやってみて」って言ったのよね、そうしたらちゃんとできたのよ。手術前説明で首には大事な神経がいっぱいあって、もしかしたらとっても多く取らなきゃいけないかもしれなしい、その時に顔が動かなかったり舌が偏って出てきたり、色々リスク聞いたのよ。でも今日大丈夫そうだったよ、素晴らしいよ。先生なるべく神経を残して本当に上手に癌だけをとってくれたんだよ。

 それともう一つ、父がティッシュボックスを枕もとにおいてくれと「書いた」時にね、枕もとのティッシュボックスに手が伸びてきたのよ。腕が肩よりもあがらなくなると言われていたから、あれって、結構動くのかもしれないって思った。本当にうれしい。

 そして先生が来た時に「一度すわった」と父は文字で書きました。「明日はあるく」と続けて書きました。長く寝ると筋肉落ちたり脳の動きが悪くなったりするって、手術前に話しで聞いてきたのです。私も父と話したと思うし。「すぐに歩くことがとても大事」って意識にばっちり入っているの。加えて寝ていても「気づいたら足を動かすように」手術前に言われたのも意識に入っている。だから今日、足の指やらをわずかながらでも一生懸命動かしていたよ、えらい。すごいよ。

 こんなに頑張っているんだからどうにか肺転移をおさえられないかな。苦しい手術したんだから、少しでも良い時間を増やしたい。時間は有限ってここまできてみないと、人間は本当に実感しないもんだ。分かっていないもんだ。

しかし今日は良い日だった。明日はもっと良い日になるでしょう、うん。

「明日はあるく」これ今日の名言です。みんなも覚えておいて。私も明日、あるこうと思う。



國井直子official

広げる×広がる 人と食と好きなコト

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