中学受験スタート

 中学受験シーズンが始まりました。今年は知人のちびっこが受けているので敏感になります。

 私が中学受験を体験したのは20年以上前です。今でも鮮明に発表の日のことは覚えています。私は六本木に「東洋英和」の発表を見に行きました。発表直後は「(六本木駅から学校までの間にある)この公衆電話で○○さんに結果を伝える」という段取りもありました。父は先に合格がでていたA学校の振込額を準備しA学校の前で「東洋英和」の結果確認を待つ。東洋英和の発表とA学校の入学金振込期限が1時間差だったため、東洋英和が受かればA学校の入学金を振込まなくて良いということでした。当時はまだ携帯電話もスマートフォンもありませんでしたから固定電話での連絡網がひかれていました。

 結果、東洋英和が合格だったので私は掲示板をみた直後に走って公衆電話に行きました。合格を中継地点の固定電話の人に伝えきりました。電話を切ったあとにぽろぽろと涙がでましたね。猛烈に勉強して苦しかったとか報われたとか、そういう涙ではありませんでした。おそらく合格発表の雰囲気と、家族からの実際はプレッシャーを感じていたのかもしれません。その後の事は、実はあまり覚えていません。親は喜んでいたのだろうと思いますが、それも記憶にはなくて、心に残るやりとりなんかもありません。しかし公衆電話の前でたくさん泣いたことだけは、なぜか覚えています。

 12歳のこどもの記憶、比較的意外なことやごく一部分だけが異常にクローズアップされて鮮明に残っていたりするものです。今のこども達が、どんな風にどんな気持ちで受験に向かっていっているのか分かりません。今朝のその子も、朝06時半に一つ目の受験校に向かって行きました。その結果をどう受け止めて、1月の残り半月と2月入ってからの受験が終わるその日までを過ごすのでしょうか。全く想像つきません。どの子供にとっても「良い記憶」または「笑える記憶」として残ればよいなと願います。そもそも受験ができていることそのものが、(私の時代もそうですが)十分すぎるほどの平和の上に成り立っていますから、何も心配することはないのです。

國井直子official

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